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itokanasikimonotachi

The Wandering Goddess

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或ることをきっかけにして、ここ暫く、貴種流離譚という語が頭から離れない。

(続き)

A P HH O N E
05 I OSS
https://soundcloud.com/aphhone/05-i-oss

流浪の王子は有るのに彷徨う姫君の物語は何故無いのか。
そんな学生時代の飲み屋での話も思い出す。
友人の答えは簡潔だった。
嫡子相続の原則があるからだろう。
継母による継子いじめの物語でも、姫君なら城に留め置かれ、下女として、こき使われる。しかし、王子なら、いずれ災いの種となるから幼い内に命を絶たれてしまう。辛うじて生き延びることが出来たとしても、城に留まることは許されない。だから貴種流離の主人公は男。
それに貴種流離譚の作者も男。俺はこんなところで燻ぶっているような人間ではない。そんなコンプレックスを創作のバネにしているような。……
友人の説明を聞きながら、シンデレラや小公女、鉢かづきの物語を思い返していた。美しくて賢く、性格の良い女の子が酷い目に遭う件がどれも耐えられなかった。私の想いは別の方向へ外れていった。
何故、彷徨う姫君の物語は存在しないのか。私の疑問は今も残っている。
そこで、この人形である。名前はプシュケー。
ギリシャ神話に因んだものであるのだろう。2016年のSUNABAギャラリー公募グループ展「不思議博物館」では、ワンピースとヘッドセット姿で展示されていた。
同時期、大阪梅田阪急百貨店でアリス展が開催されていた所為か、私は端から1m の少女人形として見ていた。神話の女神などではなく。
裸足の足にはソックスと靴を。下着もつけた上で、キッズサイズの衣装をあれこれ着せてみようと考えた。ブログ最初の記事を "Psyche: process of her popularization" と題したのは、この子の、私的・俗化のプロセスを記すためだった。
一点物の球体関節人形は衣装・髪型を含めて一個の作品として成立している。
この子が女神として創られた存在であるのなら、私の所で過ごした5年間は正しく貴種流離の期間だったことになるのではないか。
むろん苛めてはいないし、大切にしてきたつもりなのだが。
頭の中で勝手な物語を展開させている内に、彼女の「出自」は忘れてしまっていた。
女神らしからぬ衣装を着せられて、今日もカメラレンズに曝されている。
青い硝子の眼は、多分、目の前の私など、見てはいないのだろうけれど。

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