Photo3_dArKred

Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

You are radiating.

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この日の撮影の実質最後のシリーズ。
予想外の、意図しない美しさを見つけた。

(続き)

Memory Recordings
Andrea Carri - Time flies
https://soundcloud.com/user-268162856/andrea-carri-time-flies

赤い傘と真空管。この日、用意した材料は、たった二つ。それを使いきってしまった。
残り時間も少なく、そろそろ駅へ戻ることにした。
ずっと咲洲庁舎外周部で撮影していたのは、昨年の経験から。スナップ撮影程度は可であるが、正式には事前申請が必要。まして隣接する商業施設_ATC内部では、スナップも許されない。警備員から注意を受けることになる。
過去の経緯を思い出しながら、最後に、庁舎内でのスナップ撮りを行った。
1年前の撮影は晴天。広々とした空間に差し込む日差しが鮮やかだった。が、この日は雨。無機質を衒った教会内陣を思わせる光があるばかり。
広々とした空間を見上げながら、美しい人は即興の舞いを始めた。悲しいかな、それを追いかける力量が私にはない。追いつくのを時々待ってくれてはいるのだが、焦点の定まらない画像を残すのが精一杯だ。
青い通路でもスナップ。背景は薄暗い。庁内に僅かばかり残っていた外食店舗が、この一年の間に撤退してしまったからだ。壁面硝子の向こう、降りしきる雨を見詰めてもらう。
翳している掌が白く輝いているように見えた。
銀行員ら朝より蛍光す_という金子兜太の句を思い出す。しかし私が想い描いたのは、さっきまで撮影していた真空管。それが通電しているのではないか、そう伝えると、可笑しそうに笑った。掌が輝いているかに見える様をカメラモニターで確認した後、いくつかポーズを変化させる。詰まらぬ妄想にも、この美しい人は暫し付き合ってくれる。
それをもっと上手く撮れたのではないか。
上気した思いの後には、ひどい落ち込みがやってくる。
何日か経って、それが漸く収まり、湿った空気の層と朧な時間の底へ_記憶の断片と化して、消えていく。
へぼな画像でも、記憶の寄す処が全く無いよりは、良しと思えるようなっていた。

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