洲先駅のベンチで本を広げてもらった。
Empire of the Sun_J.G.Ballad
(続き)
武庫川線の走る地域が嘗てどんな場所だったか。
それは事前に伝えていて、私の方では、昨年の夏に読んだこの本を用意している。
直接の関連は無い。ただ何となく。
一つの事実をいろんな角度から視ることの大切さ。そんなことを考えていたかもしれない。
しかし、青い空と川の流れ、澄んだ眼差しと微笑みを目にする内に、準備してきた思いは何処かへ消えていた。
帰りがけに、乗換駅の駅長室で、武庫川線に関するパンフレット2冊を頂いた。
貴重な図版や記事を無料で配布しているのは事実を伝えたいという願いがあるからだろう。実体験としての記憶は、その人の死と共に終わる。後には、文字と映像は残るが、それを見ようと思う人がいなければ、何も残さなかったのと変わらない。
先人の記録を読もうと考えるきっかけは何によって生まれるのだろうか。
今日の私は、それは grace ではないか_と考えていた。
毎日、あれやこれや思い煩うことは多くても、人としての心のあり方だけは失いたくない。
70年ちょっとのことで何もかもが変わったのだけれど。
Zachary Bruno
found (unreleased)
https://soundcloud.com/zacharybrunomusic/found-unreleased
書影は Empire of the Sun J.G.Ballad 2014 Fourth Estate