中書島駅からキザクラカッパカントリーへ
(続き)
EmanMusic
Midnight Cocktail
▼ LoFi Hip Hop / Lounge Background Music For Videos (FREE DOWNLOAD)
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春先から考えていた京阪中書島行き。漸く実現した。
しかし、曇天の暗い一日。予報よりも天気の崩れが遅く、それに伴って回復も後へ、大きくずれ込んでしまった。
傘を差さずに済んだ分、幸運だったと考えるべきなのか。
風は冷たかった。
中書島へ向かう車内で、飼い猫の動画を見てもらった。僅か17秒。そこから猫の話になった。もっと早くに猫を飼っておけば、人との接し方が違っていたのではないか_常々思っていたことを打ち明けた。
_犬とは異なり、猫を躾けようなどと誰も考えない。猫それぞれの拘りや行動パターン、その全てを受け入れる。猫に怒っても仕方がないのだ。人間に対しても、そんな考え方が少しでも出来ていたなら、随分楽に生きてこれたのではないか。_
そう話し終わると、猫を飼ったのは初めてですか?と訊かれた。
小学校低学年の時に可愛がっていた白い猫。同じ頃、手乗り文鳥にしようと考えていた雛が二羽いて、或る日の夕暮れ、猫がそれを食べてしまった。雛を入れていた藁編みの櫃の蓋が開けられていて、小さな血痕が幾つか残っていた。猫は、母と祖母に怒られて家から姿を消し、二度と戻ってこなかった。……
生き物を可愛がらない人はいないと思うのだが、現実は違う。猫を早くに飼っておけば私の生き方も違っていた_という思いも、半分以上は幻想だろう。夏目漱石や内田百閒、猫好きでありながら、癇癪持ちで狷介であったことは周知の事実だ。
私もまた大差はない。父のように飲んで荒れたりはしないが、酒飲みでありながら飲み会が疎ましく、理由を拵えて欠席し、別の場所で一人で飲んでいた。
早くに猫を飼っていたとしても、私は、やはり今のとおりになっていた。
この美しい人の動きを、少しでも追いかけたくて、今日は連写モードを試みた。動きは追えなかったが、裸眼立体視のような不思議な空気感をスライドから感じる。撮影者の欲目だろうけれど。
猫好きだが猫アレルギーがあるというこの人、猫も犬も飼いたくて仕方がないというこの人も、私には美しい猫のように思えてきた。