Photo3_dArKred

Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

A winter story ーⅥー

Scene 003 : Wearing a red cardigan.(Action 001 : Overexposed white)

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(続き)

chad lawson
Ash
https://soundcloud.com/chad-lawson/1-ash-mix2-4824

赤いカーディガンを羽織ってもらった。
かっちりした服装での撮影アイディアが払底したから、差し色として用意したものを出してきた_と言うべきなのだろう。

 

しかし、赤の似合う人だと思う。
.*・レトロで透明な世界観を.゚・*.という思いを掲げている所為なのか、普段、赤を身に着けることはないと云う。試しに、青は?と訊いてみた。鮮やかな青も同じだそうだ。これと言ってアテがあるわけではないのだが、赤や青のドレス姿を想い描いてみる。レトロな色合いよりも寧ろ似合うのではないか。……

 

南に向いた窓があるためカーテンを開くと明るい光に満たされる。
このスライドは、そんな光を背にした白飛びの画像が目立つ。当然のことながら意図的なもので、明るい画面と暗い画面、どちらが好みか途中で尋ねている。明るい方が好きだという答えなら、白潰れの画像がもっと増えていたに違いない。

 

ふと、古いLPレコードを思い出した。真っ白なジャケットには後ろを向いている青年の姿と猫を抱いて俯く人が写っている。セーターや髪の様子から後ろを向いている青年と猫を抱く人は同一人物なのだろうと想像した。しかし、睫毛が長く、女性のようにも見えた。
ジャケット裏には同様に性別不詳の美しい顔が大写しになっているのだが、白飛びの画像であるため、大部分はジャケットの白に紛れてしまう。深夜のラジオ放送で何度か耳にしてLPを購入した時はまだ歌手の顔は秘密のまま。表に写っていた後ろ向きの青年の姿に歌詞と歌声を重ね合わせていたから、初めてステージに現れて歌い始めた時には少なからずショックを受けた。
歌は顔ではない。そのとおりだろう。しかし、それなら何故こんなジャケット写真を配したのか。未だ学生だった私は、中学から高校にかけての様々な思いが潰えたような気がした。
何も分かっていない若造の思いに過ぎない。

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