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Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

異想京都 其の七

高架の響き

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(続き)

[Creative Commons Music] 
AMBIENT SAD MELANCHOLIC TEARS FALLING BACKGROUND MUSIC 003
https://soundcloud.com/royaltyfreebackgroundmusic/creative-commons-music-1986

書影は 木枯し紋次郎 新装版① 赦免花は散った 笹沢左保 講談社 昭和四十七年十月二十四日

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最後に付け足した色は黄色。
このスライドには、付け足していった色の材料、全てが揃っている。それで所期の効果があったのか考えると、残念ながら、否。色数は増やせば良いというものではない。

 

それに用意した本が、少しばかり重かった。
1970年代前半、あれだけヒットしたテレビ時代劇。中村敦夫の面構え、上條恒彦の歌声……思い出すことは一杯だが、リアルタイムでは、それほど観ていたわけではない。小説は、一作読めば、あとは皆、似たようなドンデン返しばかり_というのが10代での印象だった。それでも40を過ぎてから全作、文庫本で読み通してしまうのだが。

 

70年代前半の日本人と今の日本人は、どこで繋がっているのだろうか。
すっかり変わってしまったと嘆くのは、やはり間違っているのだろう。流行りのものにワッと飛びついて、時代の流れに乗り遅れまいとする。それが自分に合うか合わないかは別にして。あれやこれや、流行り廃りの後、過ぎてしまったものを時折懐かしむ…。そんなところは、変わらないかな。

 

この黄色い本を買ったのは冷たい雨の日だった。
高校からの帰り、小高い丘を越えての下り道。傘は持っていた筈だが、靴はすっかり濡れていた。それなのに、分かれ道を右折して、高架を潜った。そちらの先の方にはアーケードの商店街があるのだが、家には遠くなる。雨が染み込んだ靴のまま本屋に寄って、この黄色い本を買った。別になんでも良かったし、中を見て、岩田専太郎の挿絵がないことにも落胆したのだが。

 

あの日、高架の上を電車が通り過ぎていくのを聞きながら、いろんなことを考えていた。
そこから今日まで、過ぎていった時間は長いのに、あっと言う間だった気がする。後悔は多いが、この美しい人の手に、50年ほど前に買った本がある。
奇跡のようだ。

 

小道具にしては、重たいものになってしまった。