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Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

あとさきの光と陰と -6-

スタジアムにて

(続き)

透明プラスチックの絵は、 「思念ちゃん」(残留思念)の一つ 2018 八太栄里個展 忘れようとしても思い出せない アトリエ「空白」(大阪中津)にて

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撮影の最後はスタジアムと決めていた。
商工会館は1958年の建設。サンガスタジアムは2020年完成。
違いは60年ほど。
それで一方は、今年中の解体撤去が決まっている。60年の違いを大きいと感じるか僅かと感じるかは年齢にも因るのだろう。
威容を誇るスタジアムだが、向かい合う旧商工会館が、私には鏡像のように見えた。
ここでどうしても「思念ちゃん」を撮っておこうと考えていた。(バッテリー交換が無ければ忘れていたのだが)
「その土地の気配や記憶、そこにまつわる人の記憶や魂など」
画家:八太栄里が捉えようとしているものの一つの表象、それが「思念ちゃん」なのだと思っている。人々の記憶だけではなく、その土地が抱えている記憶。そんなものも、あるのだろう。


夕暮れの散歩をしながら、骨伝導イヤホンで音楽を聞いているときがある。ランダム再生にしていても、アプリケーションが最近繰り返し聴かせてくれるのが、
生きていることが辛いなら:森山直太朗

何もないとこから
何もないとこへと
何もなかったかのように
巡る生命だから

というフレーズは覚えてしまったし、西日を見詰めながら
くたばる喜びとっておけ
という言葉を聞くと、思わず歩みが止まる。

何もかも僅かな後先に過ぎないことを改めて思いながら、 スライドを作り終えた。