Photo3_dArKred

Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

see-through

【主の居なくなった廃屋で新たな対話相手を待つ少女人形】
どんな風に撮ってみても、結局は作者の設定どおりになるようだ。

(続き)

Classical Guitar Music
Trumpet Voluntary ~ J. Clarke
https://soundcloud.com/classicalgm/trumpet-voluntary

光に透けるものが好きだ。
装飾用のネットを立てかけるだけで、いつもの窓辺が別物になる。
しかし boudoir らしき雰囲気を狙ったにも拘らず、廃屋の、蜘蛛の巣にまみれた一角に見えてしまう。

 

早朝のジョギングは、毎日同じコースを走る。
途中、何箇所か更地になっているところがあり、どんな家があったのか_すぐには思い出せない。それが苦になってきて、ストリートビューを開いてみた。庭に棕櫚の木のある家。或いは二軒並んだ平屋の一つ。画像を目にすると、こんな家があったなぁと思う一方で、住んでいた人は亡くなったのだろうかと考える。住民の多くが高齢者だからだ。更地にならないまでも灯りの点かない家も多い。いつか私の家も、そんな家の一つになるのだろうか。何体もの人形を残して。

 

真正面から向き合うと、この人形は確かに、何か言いたげな表情をしていた。