（続き）
SeafoamSweaterGirl
For Tomorrow’s Sake
https://soundcloud.com/seafoamsweatergirl/for-tomorrows-sake
外撮影を予定していたこの日、２週間前からずっと予報は雨になっていた。
１週間前でも変わらず、そこから３日間、様子を見たのだが、諦めて室内撮影に切り替えた。
当日、早朝は雨。しかし、大阪へ向かう電車の窓から眺めた六甲の山並みは雲を纏ってはいたのだが、その色は白く、もう雨雲には見えなかった。
予定変更の連絡で、青い柑橘類を持って行くことを伝えている。
背景にすることの叶わなかった緑が、一個の果実として掌中に在る＿そんなふうに考えたかった。
梶井基次郎の檸檬に触発されたのは言うまでもない。それをライムにしたのは、余りにベタな発想を避ける気持ちからだったが、こんなにも紡錘形をした果実だったとは…。私はどこかカボスと混同していたようだ。
ライムと並んで売り場にあったレモンも、ついでに購入している。いさかかの照れくささを感じながら。
撮影中、俄かに暗い雲の広がる時もあったが、結局、雨は降らなかった。
