圓カナル
(続き)
Keys of Moon Music
Sunset Landscape - Relaxing Piano Solo
https://soundcloud.com/keysofmoon/sunset-landscape-relaxing-piano-solo-free-download
この日、リクエストした衣装は、長袖ブラウスに黒のワンピース。ミッションスクールの制服同様の清楚を求めた。
そこへ少しずつ色を足していくことにする。場所柄、姫手毬が真っ先に浮かんだ。しかし、下手をすると怪しげな雰囲気になりかねない。元々は中嶋清八人形「和服の少女Ⅱ」 の為に用意した小道具。市川崑監督映画「悪魔の手毬唄」の印象的なカットにも影響されている。
妙な話だが、丸いものに対して、一種の畏れがある。
例えば、月。明け方、弦月を見つけても、そんな感じはしないのだが、満月を見ると、異様なものを目にした気分になる。月の出の満月なら、そんな感じはしないのだろうかと考えて、或る夕方、確かめてみた。明け方に比べて若干の軽減はあったが、やはり不穏なものを感じた。
そう気付くと、洋画でも日本画でも、大きな丸い月が描かれている絵画には、同じような畏怖が在る。私は、欠けているものよりも満ちた姿に、畏れを抱く。
しかし、この美しい人には、赤い手毬が似合っていた。
幸いにも不穏な感じは無く、古語の、まとやか_という響きを思い出した。これなら、円満な家庭生活を願って、花嫁が嫁ぎ先へ持っていったとされる手毬本来の役割が頷ける。
そんな気付きと共に、私の中の曇りや穢れも、晴れていくか……。