洋梨を手にしたシリーズの続き。
(続き)
梶井基次郎の檸檬や万城目学の作品を想いながらのスタートだったが、次第にそこから離れていった。
過ぎ去った時間への拘りは消えなくても、目の前の光に暫し心を奪われる。古都ならではの深い色の中で息衝く美しい人_そんなことを考えていた。
撮影前日、幾つかの物語名を参考として伝えた。その際に「清楚な装い」なるものをリクエストしている。余りに漠然としたお願いに対して、淡い菫色のトップスに白いスカート、濃紺のヘアバンドを用意してくださった。私の空虚な妄想を具象化するに十分な色と装いだ。
披露する当てのない新しい物語を想い描いてみる。
私には縁遠いような爽やかな輝きに満ちていた。
Science Teheran
Lachrymose I (My heart calls out for you)
https://soundcloud.com/scienceteheran/lachrymose-i-my-heart-calls-out-for-uou?in=scienceteheran/sets/lachrymose