Scene 003 : Wearing a red cardigan.(Action 004 : Sofa left)
(続き)
Naoya Sakamata
Beyond The Clouds - Emotional Piano Music / Naoya Sakamata
https://soundcloud.com/naoya-sakamata/beyond-the-clouds-emotional-sad-piano-music-naoya-sakamata
ソファー左と名付けたファイル。
何の変哲もない画像が延々と続くのだが、何かに耳を澄ましているかのような表情に引き込まれる。多分 nonu さんお得意のポーズ。何を聴いているのか_想像を働かせながら際限なく撮っていた。
記事を書き始めても、私には聞こえない音のことをあれこれ考えていた。誰かの声であったり、切れ切れのピアノやアンプラグドのギター音であったり……。
ふと、機関車や船の汽笛を思い浮かべた。
久しく耳にしていない。
和田岬線の汽笛が聞こえる地域に住んでいた結婚当初が思い出される。
すぐに気動車から電車に変わってしまった為、汽笛はなくなった。それでも、時折、船の汽笛がしているのに気づいた。除夜の鐘の後、港内外に停泊中の船が一斉に汽笛を鳴らしていたのも思い出す。
今住んでいる山間の地でも、新年を祝う汽笛を聞いた気はするのだが、最近は眠るのが早くなり、年越しの瞬間に起きていることがなくなった。除夜の鐘すらウルサイという苦情のある世相だから、新年を祝う汽笛も鳴らさないのかもしれない。
記憶の中の音を辿っていくにつれて、何の変哲もない画像の中に、別の空気が流れ込んできたように思えた。
Nice の街で過ごす Jeanne Hébuterne のことが頭を過ぎっていった。