古いペーパバックと一緒に。
美しい人が入っている所為か、販促用のポスターみたいだ。
（続き）
Isle of Man の Book Service からペーパーバックを購入していた当時、今こんな本を読んでいると誰かに話すことは殆ど無かった。物語の内容に対して批判的な態度を取りがちな人物が近くにいたから＿というのもあるのだろう。
面白いね。
あそこが良かったね。
欲しかったのは、そんな言葉だ。
批評や議論からは離れて、物語の余韻と共に目の前の風景を眺めていたかった。
何を読んでいるのか誰とも話さなくなって、今に至る。
何年か前の集英社文庫の夏休みのCMが好きだった。
一冊の文庫本を通して、世代や性別を越えた、ぎこちない会話が生まれていく。
あのCMを作った人も、読書から始まる会話を欲していた人だったのだろうか。
テレビを見なくなり、夕方ふらっと覗きに行ける本屋も無くなったから、もう別の時代の、別の国の記憶だと思えてくる。
書影は Elric of Melniboné Michael Moorcock Arrow edition 1973
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