（続き）
Keys of Moon Music
Awakening Dew - Emotional Romantic Piano
https://soundcloud.com/keysofmoon/awakening-dew-emotional-romantic-piano-free-download
澪付属のウィッグを着けている。
白の長袖セーラー服は被りタイプ。思ったよりは着せやすかったが、撮影終了後、脱がせるのは難しかった。もう一度着せてみるチャレンジをするかどうか。最初で最後の姿かもしれない。
新しい人形を見るたびに、誰それに似ている＿と考える。
多分、購入の時から、漠然とした面影があるのだろう。擬えるのは、記憶の中の誰か。現の人ばかりではなく、小説やアニメーションの誰かであったりもする。名前を挙げても賛同を得るのは難しい。
誰かに似ているという思いには、過ぎてしまった日々の記憶が重なっている。似ているかどうか異論を差し挟まれると、懐かしい記憶まで台無しになる。
２月末日から Instagram を止めた。
きっかけは、或るアイドルグループのニュース。
好き嫌いから言えば、新しい曲も詞も、大抜擢された人も、私の好みではない。しかし、大方の非難理由の中で引っ掛かったのが、その人が嘗て被写体をしていたこと。被写体活動とは＿という記事の説明が、あまりにも一方的だった。記事通りにいくなら、私もまた、この３年ばかり、白眼視されて然るべきことをしていたことになる。
一対一で撮っていても、目の前にいるのは、多くの人に大切にされている人。玩具ではない。私なら、玩具でも傷つけないように大切にする＿そんなことを云って、笑われたことも。
美しい人をカメラ越しに見詰めたいと思うのは、人倫に悖る行為なのかな……。
しかし、等身大シリコンドールの撮影も同じかもしれない。私の記憶と分ち難く結びついた美しい顔立ちであっても、世間一般は、そんな斟酌はしない。ただ下種な、訳知り顔を向けるばかり。
密やかに蒐めた美しいものには、鍵は掛けない。が、蓋をする。
逸れ者の精一杯の自己主張として。
