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itokanasikimonotachi

A Requiem in a Vacuum Tube

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古い真空管と一緒に。

(続き)

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KOBE KOGYO CORP. TEN RECEIVING TUBE 通信用 12AU7 54N
記述はこれだけ。富士通テンの前身、神戸工業社のラジオ部品_9 ピンのMT管 。1954年の製品なのだろうか。
中学一年生の夏休み、初歩のラジオを読みながら、友人と一緒に短波ラジオを作りかけた。配線に間違いはないと二人で何度も確認してスイッチを入れた。しかし、音がしない。通電している証拠に真空管は赤橙色に輝いていた。
通信士の父に助言を求めた。小学校5・6年の時に、鉱石ラジオを作ってみないか_と勧めたのが父だった。しかし、ラジオがどんな仕組みで鳴るのか理解せず、プラモデルを作るようなつもりでやっても無駄だ_とのこと。あまりの言葉に反発しかなく、すっかりラジオへの興味は失せてしまった。一緒にラジオを作っていた友人とも気まずくなり、いつか疎遠になっていった。
この真空管がどんな働きをするのか_今となっても調べてみる気持ちが起こらない。
水銀が封入された小さな硝子のオブジェとレトロな紙箱。私にとっては、それ以上でもそれ以下でもないのだが、真空の容器の中には、雲母やグリッド、薄い金属板の他にも、何かが詰まっているように見えた。あの頃に思い描いていた未来への夢、踏み違えた進路…そんなものが謂わば酸化を免れて、真空管の中に閉じ込められている。
時間と共に変わってしまったのは、硝子容器の外側の世界と私自身だった。

Clara.van.Gogh | Composer
Behind the mirror - Two
https://soundcloud.com/clara-van-gogh/behind-the-mirror-two