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Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

A short chapter about birds

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川縁に一羽、青鷺がいた。
美しい人も、眼を輝かせて見詰めていた。

(続き)

本当に青鷺なのかどうか。
内田百閒の物語で読んだ五位鷺なら、後頭部に細長い羽毛がある。しかし、その判別の手懸りは繁殖期だけの特徴だと知った。見たのが本当に青鷺だったのか_俄然、怪しくなった。

 

学生時代に tori さんと呼ばれる人がいた。背が高くて、頭が小さく、手足の長い、美しい人だった。鳥は、この世とあの世を行き来しているという概念が、どこの国の古典にも存在する。これは受講していた文学部講義の受け売り。確かに斎場や墓地近辺に鳥の名の付く場所が多い。以来、tori さんと呼ぶのが憚られた。しかし、ご本人は、思いの外、気に入っていたようだ。伝言メモや持ち物には、マニュスクリプト体で tori と記されていた。

 

口数が少なく、どんな本を読んでいるのか詳しく教えてもらったことがない。「鳥はいまどこを飛ぶか」を話題にしたことがあった気もするが…。
飲み会には欠かさず参加して、むくつけき男たちの莫迦な話をじっと聞いていたのを思い出す。特に酒席が好きだったわけではなく、楽しそうな皆の様子を見るのが好きだ_と話していた。
卒業後、就職しないでぶらぶらしていたようだったが、暫くしてアメリカの大学へ入り直したことを知った。彼の地で結婚したのだったか、どうだったか。近況を知らせる手紙を一度受け取ったが、よく覚えていない。tori というサインが学生時代と変わらずに記されていた。

 

窓辺に寝転んで空を見上げていると、屋根の庇で微かな足音がする。初めて耳にしたときはぎょっとしたのだが、多分、鳥が来て、歩いているのだろうと考える。姿は未だ見ていない。住んでいる場所柄、鵯でも来ているのだろうか。

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Zachary Bruno
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