撮影の最後は原田の森ギャラリーにて。
(続き)
ここは嘗ての県立美術館。
小学生の頃は、市電に乗って出かける動物園とプールがあるところ!
しかし、今眺めると、不動産業者のチラシ広告の謳い文句、文教地区という言葉が似合う場所だというのが分かる。
二つ並んだミッションスクール、サブトラック付きの陸上競技場、テニスコート、美術館……少し坂を上れば海が見える。私が育った下町とは大違いだ。そんな下町と海を見下ろす山の手は、15円で乗り放題の市電で繋がっていた。
この美術館前は昔の電車道。阪急の高架を潜って東へ向かう緑の電車を思い出す。
見慣れた風景は、いつの間にか失われ、記憶の中で美化されてしまう。動物園でもプールでも陸上競技場でも、嫌な思い出は山ほどあるのだが、その対処の仕方ぐらいは幾らか習得できたようだ。
地元の人間なら知っている風景を、神戸ゆかりの美しい人と辿って、スライドに残したくなった。
新しい楽しみを一つ見つけたような気持ちになっている。
Ashot Danielyan - Feel
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