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itokanasikimonotachi

The world inside a small marble

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良い光を見つけた。
鬱々とした思いが晴れなくて、少し横になってみようか
そう考えた矢先だった。

(続き)

AShamaluevMusic
Dawn
https://soundcloud.com/ashamaluevmusic/dawn?in=ashamaluevmusic/sets/ambient-music

早速、撮影の準備に取り掛かる。
箱から出したのは、いつもどおり、この人形。
不機嫌そうな表情が、急な思い付きに付き合わされる不満顔に見えてくる。それが少しでも違ってくれば、撮影が上手くいった証だと思うようになった。


青い花瓶と赤い薄葉紙は光を見つけてすぐに頭に浮かんだ。それ以外は手元にあって探す必要のないものばかり。それでも R.W.Chambers "The Mystery of Choice" が入っている。
本当に無作為だったのか_怪しく思えてくる。

 

撮影中、カメラモニターを眺めていて、まるでビー玉の中の世界だと思った。
今日のように頭が痛い日に、ビー玉を覗き込んでいたのを思い出す。
もう取り壊してしまった古い家の二階。何処かで拾ってきたガラス玉には、少し疵があって、気泡も混じっていた。覗き込むと何もかもが歪で、それでいて不思議な光に満ちていた。茹でたビー玉を冷水に浸けて、わざわざヒビを入れたりもした。それを白熱灯に翳したり、夕暮れの空に透かしたり……。澄んでいるのに、不確かで、ぼやけてしまうのが好きだった。

 

漢文の授業、「涼州詞」王翰の葡萄美酒夜光杯という詩句を目にした時も、説明にあるような白玉の杯ではなく、分厚くて歪なガラスの器を想い描いていた。

 

小学生や高校生の頃から然して変わらず、この歳になってしまったと考えているが、本当は、偏頭痛の脈打つ夢の中、ビー玉を覗き込んでいる小学生のままだったのではないか。それならそれで、もう夢は覚めなくて構わない。
夢は夢のままで終わり_としておこう。

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書影は The Mystery of Choice Robert William Chambers 1969 Books For Libraries Press