すきとおった まぁるい ゆめ
（続き）
Dominique Charpentier
Raz Blanchard
Memory Recordings
https://soundcloud.com/user-268162856/dominique-charpentier-raz-blanchard
ハレのちアメの白い一日 最終回
この日の撮影の一番最後。SDカードからHDへの移し替えの際、画像の幾つかに目が止まった。
何度か両手でハートの形を作っている。その笑顔を見ていたら、何か胸に迫るものを感じた。歳の所為なのだろう、涙が溢れそうになった。
お気に入りのシリーズからスライドを作り始めることが多いのだが、今回は、最初から順を追って作った。何故、そこまで泣けてきたのか＿考えてみたかったし、少しばかり時間を置いてみたかった。
ガラス玉とプラスチックの玉。
透明なものが、アレシアさんには似合うという思いからだが、水晶ではなくガラス玉。中を覗いてみると小さな気泡があり、傷や歪みも見つかる。プラスチックの玉は、クリスマスツリーの飾り。中にお菓子や小さなプレゼントを入れてぶら下げるという趣向らしい。チロルチョコでも入れてみたくなったのだが、結局は空っぽのまま撮影した。
小休止の試し撮りのときに、何でも無いものの輝きに惹かれることを話した。高価なものが美しいのは当たり前。見向きもされないガラスやプラスチック、こんなテーブルの輝きが好きだ＿そんなことも話した。それを理解してくれたのか、ガラス玉を手に取る様子や覗き込む様が、私の気持ちに沿ったものに見えた。ハートの形はその延長線上に来るのだが、プラスチック玉の画像を確認してもらったときの、シャボン玉を持っているみたいですね＿という感想にも心が動いた。
画像を送った際に、どうか幸せになってください。＿という言葉を添えた。これも歳の所為だろう。
何が幸せなのか、明確な答えを持ち合わせていない。ただ、辛いこと悲しいことが一つでも減って、鼻歌でも歌いたくなるような毎日でありますように。
そんな願いは、まるで身内の誰かに対してのようだ。無性に可笑しく、また涙目になってしまう。
