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Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

A winter story ーⅧー

Scene 003 : Wearing a red cardigan.(Action 003 : The striking green)

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(続き)

chairhouse
Many Of Our Favourite Dramas Are Based On The Loss - #2964 By Chair House 01252022
https://soundcloud.com/chairhouse/many-of-our-favourite-dramas-are-based-on-the-loss-2964-by-chair-house-01252022

明るい南窓の前で黒潰れ気味の画像を撮っていた。
陽は西の空、まだ高くにあったのだが、西の方を眺めると、あれやこれやに反射してひどく眩い。白飛び気味の画像をまた撮りたくなる。
ふと、近くの緑が写り込んでいるのに気付いた。常緑樹なのだろうか。この季節でも緑であるばかりか、露出過多の状態でも、しっかり存在を主張していた。
緑の強さに心が動く。ぼやけていても、一色加わっただけで、それまで撮っていたものとは別物になった。
私の心の何処か、ずっと欠落しているものが在る。それが何か見出せないままに様々な幻を当て嵌めていく。

 

クリスマスツリーにぶら下がる金や銀、赤や緑のガラス玉。
あれは何というものなのか。星のようでもあり、キャンドルの炎の代わりだったとも思える。今はプラスチックだが、私の子供のころは薄いガラス製。だから、よく壊れた。作り物の樅の木の枝先には、Ω状のバネとアルミの口金だけが残っていた。小さな欠片になっても、ガラスの輝きは美しかったが、美しいのは表だけで、塗料が吹き付けられた裏面には奇妙なザラつきがあった。
古い家の近くには、ダンボール一杯のクリスマス飾りが並ぶ小さな作業所があった。いつの間にか、そんなものを作る町工場は消えてしまって、もっと精密なものを作る国になったと嘯いている。しかし、あの頃よりも今の方が、技術的にも経済的にも、そして夢も心も、貧しくなってしまった気がする。そんな筈はないのだけれど。

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