Photo3_dArKred

Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

A winter story ーXVー

Scene 004 : Reading! Reading! Reading! (Action 005 : Aerial perspective)

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(続き)

Keys of Moon Music
Child Dreams - Emotional Music 
https://soundcloud.com/keysofmoon/child-dreams-emotional-music-free-download

書影は Ian Fleming:The Spy Who Loved Me __Penguin Books_2008
Jacket illustration:Michael Gillette_http://michaelgillette.com/james-bond-book-covers

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このスライドも柔らかな表情が印象に残る。
微かな笑みを含んでいる口許や眼差し。密やかで愉しい時間が流れていく。
撮影しながら話したのは空気遠近法。画像に現れているほどには近くはなく、傾き始めた光を意識しながら撮っていると、空気の厚みが分かる。無論、単なる思い込みに過ぎないのだが。

 

まだ20代の頃、セルフタイマーで撮った妻との写真を思い出した。
旅先の、ツインベッドの端に腰掛けた私と妻が、夕暮れの窓を背にして、こちらを向いている。二人とも若く、私は今よりももっと痩せていた。
ーこんなに綺麗に写るんだ。ー
L版に引延したものをフォトフレームに入れて暫く飾っていた。
何故か、父がそれを欲しいと言った。焼き増ししたものを_と言うと、今すぐ、それを持って帰る_と言う。酔っぱらいの我儘に従う他はなく、急かされるままフレームから出して渡した。以来、父が生きている間、その写真について話したことはない。必要なら、DPE店で焼き増しすれば済むこと。そう考えている内に、私も妻も、忘れるともなく忘れてしまっていた。
父が亡くなり、母が亡くなって、いよいよ古い家を壊さなければならなくなった3年前、娘と一緒に戸袋の中を確認していて見つけた古いアルバム。その中に、件の写真があった。父は何に惹かれて、この写真を取っておいたのか。理由を聞くことがないまま時間は過ぎてしまった。
アルバムに整理された写真以外にも父が写した膨大なプリントが残っていた。
フィルムカメラの時代だから、現像とプリントは必要不可欠。そして、そこに写っている人の多くは、もうこの世にいない。一枚一枚見ていると、いつの間にか涙が溢れてくる。捨てるに捨てられない写真を手提げ紙袋一杯持ち帰ってきたのだが、ただ置き場所を変えたに過ぎない。
近頃、フィルムカメラの良さを謳う人たちの言葉を見るたびに、後に残される画像の山を想ってしまう。

 

私が撮ったものは、デジタルデーターとして残るのか。消えてしまうのか。密やかな愉しみの記録は、当人の死と共に消えてしまう方が良い_に決まっている。