Photo3_dArKred

Small flowers by the roadside (_itokanasikimonotachi_)

激しい雨が降っていても -4-

窓とフロアーライトの光

(続き)

Julyo
EASY LISTENING / Shibuya Sunrise
https://soundcloud.com/julyomusic/easy-listening-shibuya-sunrise

この日、これまでの撮影を記した一覧表を渡している。
初めの頃は、とにかく人形のように、表情を消してもらうことを求めていた。そこから少しずつ、美しい一人の女性として見るようになっていくのだが。
この回のスライドは、どこか最初の頃に戻ったような、等身大ドール風の冷ややかな雰囲気が主となっている。振り返りの一覧表を見たからなのか、私が勝手にそう捉えているだけなのかは、今となっては判らない。
表情を消して、あらぬ方向に視線をやっている様子、それが、この人らしい謎めいた雰囲気を高めている。

 

しかし、分かったようなつもりでいても、本当は一面だけを見ているに過ぎない。
もう「卒業」してしまったアイドルグループの或るメンバーのことを思い出す。声が大きくて元気、いつでも笑顔_そんなキャラクターだった。ある時、将来の夢を問われて、殺処分されるペットを無くしたい_と答えた。他のメンバーが、グループ卒業後のキャリアとしての夢を語っていた中で、一人だけ異色の答えだった。いつでも元気な笑顔を見せていたのに、彼女が見詰めていたのは思いもよらぬ先だった。その後、暫く「休養期間」があって、やっと復帰してくるのだが、休まなければならない「辛さ」の一端が想像できる気がした。

 

窓の光やフロアーライトに照らされた部分は明るくても、室内の大部分は影の中にある。
何もかもが詳らかになっているのではなく、分からないことの方が多い。そこに魅力を感じたり、時には、しんどさを感じたりもするのだろうか。

 

辛気臭い男の、言い訳じみてきた。