"The first shooting" の撮影から１週間後。2021年撮影、最終のファイル。
（続き）
Melancholy Galliard
FHgitarre-classicalGUITAR
https://soundcloud.com/fhgitarre/melancholy-galliard
年が変わってから10日余り。何も撮る気にはなれず、溜まった画像整理と、スライド・ブログ記事の下書きを作っていた。
１月はただ静かに過ぎていってほしい。
気分転換のつもりで、ポルトガル Nazaré の街をGoogle map で眺めていた。NHKBS「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅 ポルトガル編」を思い出す。ストリートビューで行くと少しばかり印象が違っていた。海辺の観光地にしか見えなかった。
旅行者として眺めるのなら、それで充分なのだろう。しかし、私が外国の地図を眺める時は、別の人格になっている。その土地で生まれ、育ち、死んでいく人間として。今日は思春期前の、少年だか少女だか、はっきりしない小さな子供だった。日没前に海を眺め、風に吹かれながら、綺麗な女の人の顔を思い浮かべていた。どこかで見た記憶があるのだが、どこの誰とも分からない。声も思い出せない。それなのに、低い声だった気がするのが不思議だった。
そこから急に、遠い夏の日の、半袖ブラウスの高校生を思い出した。辛うじて名前は知り得たが、終に言葉を交わすことはなかった。生きているなら、今年か来年、古希を祝うことになる。
ポルトガルの港町は夏の終わりに見えたが、50年の時間を越えて戻ったのは寒々とした１月の日本だった。
