分を超えた大仰な題名だが。
(続き)
Naoya Sakamata
無機質な怒りに対する優しさの反論
https://soundcloud.com/naoya-sakamata/emotional-sad-piano-music
この人形に付与された美しさはエロスなのではないか。ふと、そんなことを思い、題名にした。
磨き上げられたボディを有する120cmの球体関節人形。裸形での展示がデフォルトだから、いくら私が好き勝手な衣装を着けてやっても、持ち味は変えられない。私がこれまで求めてきたのは、隠すことによって生まれる隠微な美しさだった。
あけすけな婀娜っぽさは好みではない。しかしいつまでも地下世界ではないだろう。闇よりも光の方へ、空の高みを志向するものがあっても良いのではないか。今頃そんなことを_と思われるだろうけれど。
あれやこれや、老い先の短さを嗅ぎ取って、命を肯定的に捉えてみたくなった。
一頻り撮影をして、同じような画像ばかり続くようになると、そろそろ潮時。お開きにする。
収納場所へ戻すべく片付けを始めると、クッションの上に横たえた人形が、もう終わるのかという表情を見せる。寝かせると表情が一変するのも、この人形の持ち味。しかし、何故そうなるのか、理由が分からない。
後ろ髪引かれる思いで、キルトにくるみ、元の場所へ収めた。
今日撮りたかったのは、そんな表情ではないんだ_と言い訳する。
Erōs を目指すのは至難の業となりそうだ。