キザクラカッパカントリーから月桂冠大倉記念館へ
中書島シリーズの後半。１１月下旬になって見直してみた。
（続き）
Ashot Danielyan
Atmosphere III
https://soundcloud.com/ashot-danielyan/ashot-danielyan-atmosphere-iii?in=ashot-danielyan/sets/ashot-danielyan-twilight
比較的穏やかな天候の日が続いたのが１１月全般の印象だが、このシリーズは今見ても寒々しい。京都らしい焼板や連子格子を背にした画像は美しいのに、どこか怖いような感じがする。それでも、ふっと緩めた表情に目が行く。大倉記念館での菰巻き実演が終わったとき、最初から作業を見詰めていた人達に混じって拍手していたのを思い出した。
見上げた横顔の瞳には、青い空が映っていた。撮影中ずっと雲に覆われていたと思い込んでいたのだが。
高校の体育の授業で見上げた１１月の空。
男子だけ、寒々としたグラウンドで、ラグビーをしていた。高校生になってから誰もが初めて取り組んだ種目でも、体格差は大きく、そこへラグビー部員が混じると、見るよりも取り組めるスポーツの面白さを＿という体育科教師の思いは、絵空事でしかなかった。
同じクラスに心優しいラグビー部員がいて、痛くないように腕で突き飛ばしてやるから、砂まみれになったら、グラウンドを行ったり来たりして時間を流せ。怪我する必要はない。＿と言ってくれた。突き飛ばされて転がったグラウンドから空を見上げると、雲の切れ目から日脚が下りていた。大学生になって聴いた荒井由実の歌詞のように空が低いとは思わなかったが、死は近いような気がした。
