猛暑の日に、太陽の輝きを冷たいと感じるときがある。
冬の日に目にする日差しが暖かいのは当り前なのだが。
(続き)
日々の記憶や雰囲気は、思っている以上に主観に左右される。
この日、私の頭の中には、どこか遠くの島影があった。
陰鬱な色をした海に対して空は明るく、白い雲がヤシの葉のシルエットの向こう、水平線の彼方から湧き上がっていた。
縁もゆかりもないインド洋でも思い描いていたのか。
普段、他人の声を滅多に聞かずに過ごしている。だから、見ず知らずの人にまで怒鳴り散らす老人を見るのが苦手だ。自分は正しいと思い込んで疑わないのだろう、居丈高な言葉を発している。
何故マスクをしないのか。
擦れ違い様、怒鳴りつけられたのは、少し障害があるらしい男の子と一緒に犬を散歩させていた女性。
その声の響きが今も頭から離れない。
勢いやノリ、悪ふざけ。
多数派によって動いていく社会が苦手だ。
美しい人との会話は、ぽつりぽつり。
小さな雨垂れのように間が空いて、言葉のない時間が続く。
人形のようでありながら、人形にはない虚ろな表情に惹き込まれていた。
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