The big penguin-Ⅱ
シリーズ2回目と同じように紙風船で遊ぶさまが印象に残る。
しかし、下書きを作るのに、あれこれ思いが乱れてしまい、時間がかかった。
(続き)
Ashot Danielyan - October
https://soundcloud.com/ashot-danielyan/ashot-danielyan-october
ふと、黒田三郎の詩「紙風船」を歌った赤い鳥のことが頭に浮かんだ。
五つの赤い風船のLPを聴いていた私に対して、父は赤い鳥のLPを持っていた。大正生まれの船乗りの父は演歌が大の苦手、(と言っても、当時の父は今の私より遥かに若い。40代の半ば!)高く澄んだ声の若い女性ボーカルが好きだった。あの頃の言葉で言うならカレッジフォーク。しかし、赤い鳥の歌では竹田の子守唄が好きで、そこから五木の子守唄も誰かの声で聴いていた。
私の娘は誕生月が過ぎてしまい、もう四十歳が近い。去年も今年も、盆に帰って来なかった。盆どころか正月も帰らなかった。一年近く会ってはおらず、時々メールの遣り取りをするばかり。盆の諸行事とは無縁の一家だから、盆も正月も関係ないと言えばそれまでだが、無策に過ぎていった時間と、いろんな人たちの賢しらな物言いを思い出す。panem et circenses のローマ帝国や、職とパンを与えることを約束したナンチャラ帝国同様、絶大に見えた力は潰えていく。
Summer Cabin の薄暗がりの中、美しい人の手で弄ばれ、宙を上下する透過光の鮮やかさ。
おもしろうてやがてかなしき。
そう言葉を継いでみたくなった。